親から実家を相続したものの、誰も住む予定がなく「解体して更地にしたい」と考える方は多くいます。
しかし、いざ解体となると「費用は誰が払うのか?」「名義変更が終わっていなくても解体できるのか?」など、様々な疑問が湧いてくるでしょう。
この記事では、実家を相続した際の解体費用の負担ルールから、相続放棄をした場合の責任、名義変更前の解体方法、税金控除まで、わかりやすく解説します。
実家を相続した後、そのまま残すか解体するかは大きな決断です。
まずは、どのようなケースで解体が必要になるのかを見ていきましょう。
Contents
- 空き家になった実家を放置するリスク
- 施設に入った親の家を解体するケース
- 解体すべきか売却すべきかの判断基準
- 実家の解体費用は誰が払う?
- 実家の解体費用は相続人が負担するのが原則
- 相続人が複数いる場合の費用分担
- 相続家屋の解体費用の相場
- 相続放棄した場合の解体費用と責任
- 相続せずに解体することは可能?
- 名義変更していない建物の解体方法
- 名義変更していない相続建物の解体手続き
- 建物解体に必要な同意書と書類
- トラブルを防ぐための進め方
- 相続税と解体費用の関係
- 解体費用は相続税控除の対象になるのか
- 解体のタイミングと節税効果
- 空き家特例との関係
- 実家解体でよくあるトラブルと対策
- 親族間トラブル(費用負担・同意問題)
- 相続放棄の「逃げ得」と言われる理由
- 専門家に相談すべきケース
- 実家の相続解体費用まとめ
空き家になった実家を放置するリスク
誰も住まなくなった実家を放置することには、多くのリスクが伴います。
建物の老朽化による倒壊の危険性や、屋根材・外壁の飛散による近隣トラブル、放火や不法投棄といった防犯上の問題などです。
さらに、自治体から「特定空き家」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、税金が最大で約6倍に跳ね上がる可能性もあります。
施設に入った親の家を解体するケース
親が老人ホームなどの施設に入所し、実家が空き家になるケースも増えています。
親が存命であっても、将来的な維持管理の手間や費用を考慮し、家族で話し合って早めに解体・売却を進めるケースも少なくありません。
この場合、親の財産を処分することになるため、成年後見制度の利用が必要になることもあります。
解体すべきか売却すべきかの判断基準
解体するか、そのまま(古家付き土地として)売却するかの判断は、「建物の状態」と「立地」がポイントになります。
建物が古く耐震基準を満たしていない場合や、買い手がつきにくい立地の場合は、解体して更地にした方が売却しやすくなります。
一方、リフォームすれば住める状態であれば、そのまま売却する方が解体費用を節約できます。
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実家の解体費用は誰が払う?
解体工事にはまとまった費用がかかります。
この費用は誰が負担するのでしょうか。
実家の解体費用は相続人が負担するのが原則
実家の解体費用は、原則として「その家を相続した人(所有者)」が負担します。
遺産分割協議で実家を単独で相続した人がいれば、その人が全額を支払うことになります。
相続人が複数いる場合の費用分担
実家を兄弟などで「共有名義」として相続した場合は、それぞれの持分の割合に応じて解体費用を分担するのが一般的です。
また、遺産分割協議の中で「実家を解体して更地にし、売却した利益を分割する(換価分割)」と決めた場合は、売却代金から解体費用を差し引いて、残りの金額を相続人で分ける方法もよくとられます。
相続家屋の解体費用の相場
解体費用の相場は、建物の構造(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など)や広さ、立地条件によって大きく異なります。
一般的な木造の一戸建て(約30坪)の場合、100万円〜150万円程度が目安となりますが、前面道路が狭く重機が入れない場合や、アスベストが使用されている場合は、さらに費用が上乗せされます。
相続放棄した場合の解体費用と責任
「解体費用が払えない」「実家以外にめぼしい財産がない」といった理由で、相続放棄を検討する方もいるでしょう。
相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったことになり、解体費用を支払う法的な義務はなくなります。
しかし、相続放棄をしたからといって、すぐにすべての責任から逃れられるわけではありません。
民法の規定により、相続放棄をした時点でその家を「現に占有している」場合は、次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまでの間、適切に管理する義務(保存義務)が残ります。
管理を怠って他人に損害を与えた場合は、賠償責任を問われる可能性があるため注意が必要です。
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相続せずに解体することは可能?
遺産分割協議が終わる前(誰が相続するか決まる前)に、倒壊の危険があるなどの理由で急いで解体したいケースもあるでしょう。
原則として、他人の共有物である建物を勝手に解体することはできませんが、法定相続人全員の同意を得ることで、相続確定前でも解体を進めることは可能です。
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名義変更していない建物の解体方法

親の代、あるいは祖父母の代から名義変更(相続登記)がされていない建物を解体する場合の手続きについて解説します。
名義変更していない相続建物の解体手続き
建物を解体すること自体は、名義変更が終わっていなくても可能です。
ただし、解体後に行う「建物滅失登記(建物がなくなったことを法務局に申告する手続き)」の際に、通常の書類に加えて追加の書類が必要になります。
建物解体に必要な同意書と書類
名義変更前の建物を解体し、滅失登記を行うためには、法定相続人であることを証明する書類(戸籍謄本など)や、他の相続人全員の「同意書(または遺産分割協議書)」、印鑑証明書などが必要になります。
トラブルを防ぐための進め方
一部の相続人の反対を押し切って勝手に解体してしまうと、後から損害賠償を請求されるなどの大きなトラブルに発展します。
名義変更が終わっていない建物を解体する際は、必ず事前に相続人全員で話し合い、書面で同意を得ておくことが重要です。
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相続税と解体費用の関係
実家を解体した費用は、相続税の計算にどう影響するのでしょうか。
解体費用は相続税控除の対象になるのか
結論から言うと、被相続人(亡くなった親)が亡くなった後に発生した解体費用は、原則として相続税の「債務控除」の対象にはなりません。
債務控除の対象となるのは、被相続人が生前に負っていた借金や未払金などです。
解体のタイミングと節税効果
ただし、実家を解体して更地にしてから売却した場合、その売却益にかかる「譲渡所得税」の計算において、解体費用を「譲渡費用」として差し引くことができます。
これにより、結果的に税金の負担を減らすことが可能です。
空き家特例との関係
また、一定の要件を満たす空き家を相続し、解体して更地にしてから売却した場合、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用され、譲渡所得から最大3,000万円が控除される制度もあります。
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実家解体でよくあるトラブルと対策

実家の解体では、親族間でのトラブルが起こりやすいため注意が必要です。
親族間トラブル(費用負担・同意問題)
最も多いのが「誰が解体費用を負担するか」という金銭的なトラブルと、「解体すること自体に反対する人がいる」という同意に関するトラブルです。
口約束ではなく、必ず遺産分割協議書などの書面に残すことが大切です。
相続放棄の「逃げ得」と言われる理由
一部の相続人だけが相続放棄をして管理責任から逃れ、残された相続人に負担が集中してしまうケースがあり、これが「逃げ得」と呼ばれることがあります。
こうした事態を防ぐためにも、早い段階で専門家を交えて話し合うことが望ましいです。
専門家に相談すべきケース
権利関係が複雑な場合や、相続人間で意見がまとまらない場合、また税金の特例を確実に利用したい場合は、弁護士や税理士、司法書士などの専門家に早めに相談することをおすすめします。
実家の相続解体費用まとめ
実家を相続した後の解体は、費用の負担だけでなく、名義変更や税金、親族間の合意形成など、多くのハードルがあります。
放置すればするほどリスクが高まるため、まずは現状を把握し、家族でしっかりと話し合うことが第一歩です。
解体費用がどれくらいかかるのか、まずは専門業者に見積もりを依頼して、具体的な計画を立ててみてはいかがでしょうか。

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